訪問診療  Q&A


Link      NHKおはよう日本取材より
吸引指導   痰吸引の方法、気管支鏡を用いた説明など

 往診    2012年の臨時・緊急往診の状況(在宅医療学会抄録)



 訪問診療ってどんなもの?

   通院が困難な患者さんのお宅(あるいは施設)
に訪問して診療を行うことです。
内服治療の他に点滴治療などを行うことも少なくありません。
 
 訪問診療は医療保険を用いますが、介護保険を用いた
介護ヘルパー、訪問入浴サービス、訪問看護、訪問リハビリ
などのさまざまなサービス事業所と連携して患者さんの
サポートを行います。
 介護保険を用いたサービスはケアマネージャーさんと相談し
てサービスを導入していただきます。
 
 訪問診療には24時間対応型(在宅療養支援診療所)と
そうでないものがあります。
 当クリニックの訪問診療は原則として24時間対応型の
訪問診療を行います。
 月に2回、定期訪問を行い、診察、定期薬の処方を行い
ますが、その他に休日等も含め24時間電話で病状相談を
お受けします。緊急性が高いと判断した場合は緊急往診を
致します。入院治療をおすすめの場合は病院との連絡も
行います。

 薬の処方箋はご家族にクリニックまで取りに来ていただくか
薬局で訪問薬剤指導を契約して届けてもらうことになります。

  どこでも、どんな病気でも受けられる?

  若葉区内全域、中央区と緑区の一部、四街道市と
八街市の一部を往診可能範囲とさせていただいていますが
詳細は電話などでご相談下さい。

 また往診可能な施設はケアハウス、ショートステイ、
有料老人ホームなどですがあらかじめ施設の了解をとる必要
があります。
 特別養護老人ホームは担当医がいるため訪問診療はできない
ことになっています。またデイサービス中もその施設に往診できな
い規則になっています。
 
 病気の種類は特に制限していませんが小児疾患などは対応して
いません。
 具体的に当クリニックでは次のような疾患の患者さんの訪問診療
を行っています。
 #脳血管障害、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)の後遺症
 #神経難病(パーキンソン病、脊髄小脳変性症:多系統委縮症、
          大脳皮質基底核変性症、筋萎縮性側索硬化症など)
 #廃用症候群(外傷や大病後の寝たきり状態)
 #認知症
 #癌末期 【緩和ケア治療】

訪問診療困難なケース(訪問診療を受けられない場合があります)
 
#独居の方 
 #ご家族が介護に全く無関心な方
 #介護している方の認知障害が高度な場合

訪問診療、訪問看護を入院と同じと思われる方がたまにいらっしゃる
のですが24時間患者さんを診続けるわけではありません。
 在宅ではご家族が患者さんの状態をみて報告していただけなければ
正しい判断ができません。
 なにも看護師なみの知識を要求しているわけではなく患者さんを
心配をする気持ちがあればできることです。
ただ、介護されるご家族の心労は大変だと思います。

介護が長期にわたる場合はショートステイやデイサービス、
レスパイト入院などを利用して
介護者の心身のリフレッシュを行うことをお勧めします。


 癌の末期は自宅でみられますか?

 癌の末期などは延命のための治療ではなくいかに苦痛を
少なく過ごせるかに治療の焦点が変わります。この苦痛を緩和する治療
や介護を緩和医療、緩和ケアと呼びます。

 緩和ケアは医療従事者だけが行うものでも、介護従事者だけが行うもの
でもなく医療スタッフ、介護スタッフ、ご家族がタッグを組んで行うべき
ものです。これらが集まって定期的に医療介護のプランをたててゆくのが
担当者会議です。当クリニックでは積極的に会議に参加しています。

 医療に関して言えば緩和ケア病棟などで行われている緩和ケア治療と
ほぼ同等の治療ができると考えています。
(骨転移の痛みをとるための放射線治療などは例外ですが)
痛みに対してはモルヒネ等(オピオイド製剤といいます)の内服、経皮投与、
持続皮下注射とPCA(痛いときにボタンを押して追加投与すること)
必要により自宅での点滴、中心静脈栄養なども行います。
在宅での酸素療法、胸水や腹水の除去などを行うこともあります。
その他、嘔気嘔吐、精神的ストレスや不眠などの治療も行います。


 手続きはどうすればいいの?

 ケアマネージャーがすでに決まっている方は
ケアマネージャーから当クリニックに連絡を入れてもらうのが
お勧めです。患者さん本人、ご家族からの問い合わせも問題
ありません。

 今まで見てもらった病院の紹介状(診療情報提供書)を
もらい、当クリニック面談日を決めていただきます(電話)。
可能ならば面談に患者さんご本人、ご家族、ケアマネージャー
に来ていただきます。
 面談では患者さんの病状、ADLなどをお聞きします。
また訪問診療の説明をいたします。

 面談終了後に訪問診療の予約をいたします。
入院中の場合は退院後に連絡をいただき初回訪問日を
決定します。

(文責) 千城台クリニック    柿澤 公孝 (2012年2月4日)